
ADHDに悩むあなたへ、ADHDコーチの小島英将です。
あなたは、ADHDと依存症の密接な関係についてご存知ですか?
ADHDを持つ人の多くが、その2次障害として、何らかの依存症を持つと言われます。
もし、あなたが以下のことに当てはまるなら、あなたもその一人かもしれません。
- 人から心配されるほど、お酒を飲んだことがある。(飲酒依存症)
- タバコを吸っていないとイライラする。(喫煙依存症)
- 生活や人間関係に支障をきたすほど、ゲームに熱中してしまう。(ゲーム依存症)
- 家計を圧迫するほど買い物やギャンブルをしてしまう(ショッピング依存症、ギャンブル依存症)
- 性行為や自慰行為などの行為に走ることがやめられない(性依存症)
- SNSやネットサーフィンに、無駄な時間を費やし過ぎてしまう(ネット依存症)
依存症は、あなたが思っている以上に身近な存在です。
そして、依存症を持つ本人は、自身が依存症であることに気付かないケースも、多々あります。
もしあなたが非喫煙者で、タバコを吸う知人が身近にいるのなら、わかりやすいでしょう。
「俺は楽しみで吸ってるんだ!」
そう言っているその人の言葉は、果たして本当にそうでしょうか?
楽しみであれば、タバコを吸わないことも出来るはずです。
また、タバコを吸えない時間にイライラしてしまうこともない筈です。
依存症の最大の危険は、「本当は幸せではない」「本当は必要ではない」ことを、幸せ、必要と思い込むことです。
あなたも、身に覚えがあるのではないでしょうか?
あなたが、楽しみ、幸せと思っていることは、本当に幸せですか?心の底からワクワクしますか?
でも、大丈夫です。あなたは依存症を克服することができます。
なぜなら、依存症を克服する最大の方法は、「気付くこと」だからです。
■ADHDが依存症になるメカニズム、ドーパミンやストレス、衝動性、先延ばしなど
そもそも、なぜADHDの人は依存症になるのでしょうか?
まず、第一の理由として、脳内のドーパミン分泌量が足りていないことが挙げられます。
ドーパミンとは、「報酬への期待感」を司(つかさど)る脳内物質です。
たとえば、目の前に美味しそうな食べ物があったとします。
それを見た時私たちの脳は、ドーパミンという物質を分泌することで「この食べ物を食べたら満足感を得られそうだ!」という期待感を煽ります。
ADHDの人はドーパミンの分泌が足りていないため、本能的にドーパミンを充足させようとします。
ADHDの人にとっての依存症とは、ある種の自己治療のようなもので、足りていないドーパミンを充足させることによって、脳の平衡感覚を保とうとする本能があるのです。
また、ADHDの人は日常的にストレスを感じやすく、衝動性も強いため、依存性の強い物質や行為に走りがちになります。また、それを辞めることを先延ばしにすることで、ずるずると依存にハマって行くのです。
■ハマればハマるほど幸福感が失われて行く!依存の大きな落とし穴
依存性の物質や行為の大きな特徴は、「簡単に幸福感を得られる」ということです。
ゲームやインターネット、ギャンブルなどは、麻薬と同じくらいのドーパミンを、分泌させます。
また、タバコやお酒などはまさに麻薬のようなもので、脳に直接作用してドーパミンを分泌させます。
あなたは、ストレスを感じたとき、こうした簡単な行為によって満足感を得ようとしていませんか?
それは、大きな落とし穴です。脳は、簡単な刺激には簡単に慣れてしまうように出来ており、だんだん幸せを感じるハードルが高くなってしまうからです。
おそらくあなたは、学生の頃、麻薬依存についてのビデオを見せられたことがあるでしょう。
最初は「少しだけ」のつもりで使い始めた麻薬の量が徐々に増え、自らを破滅させて行く。
麻薬と聞くと、いささかゾッとするものを感じるかもしれません。ですが、それと同じことが、あなたの脳内で起きているのです。
■依存性の最大の克服法は「3つの」気付くこと!
では、どうすれば依存症から抜け出せるのでしょうか?
答えは簡単です。冒頭でもお伝えしたとおり、「気付くこと」が、依存症最大の克服法だからです。
この、「気付くこと」は、3つの項目に分かれます。
- 依存症そのものに気付く
- 依存症で受けている不利益に気付く
- 本当に幸せなこととは何か?に気付く
依存症そのものに気付くことは、言うまでもありません。
問題は、あと2つの「気付くこと」です。
もしかしたら、あなたは「そんなことは既に気付いている!それでもやめられないから困ってるんだ!」と感じているかもしれません。
しかし、表面的に気付いていても何の解決にもなりません。
大切なのは、あなたが心の奥底から「不利益に気付き」「本当に幸せなことに気付く」・・・あなたの依存症があなたを破滅に導き、本当の幸せから遠ざけていることに、心の底から納得することが、何よりも大切なのです。
■3つの「気付く」にあなたを導くための、内省ワーク!
では、あなたが心の底から納得し、依存症を克服するためのワークを紹介します。
時間はかかりますが、簡単に出来ることなので、ぜひやってみてください。
- あなたが、それ(あなたの困っている依存性物質、行為)によって得ている利益はなんですか?思いつく限り書き留めてください。
- その利益が単なるまやかしだとしたら、その理由はなんですか?書き留めてください。
- 2で答えたことに反論する気持ちが沸いてきたら、それも書き留めてください。
- 3の反論が本当ではないとしたら、その理由はなんですか?書き留めてください。
以上、1~4のことを繰り返します。30日ほど続けた頃には確実に、あなたは依存症を克服していることでしょう。
大切なのは、このワークを「自分でやること」です。そして、「納得するまでやること」です。
依存症について、そのものが不幸であると「気付く」ことに成功すれば、それは殆ど依存症を克服したも同然です。
もし、あなたが本当の幸せを手に入れたいのであれば、必ずこのワークをやってください。
30日後、あなたは嘘のような体験を目の当たりにしているはずです。
今とは見違えるほど、明るい毎日が、あなたを待っているのです。